新・黒単コントロールを極める 6
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目玉
新・黒単コントロールを極める7 http://forum.astral-guild.net/board/21/1508/
ただ埋めるのも何なので発掘したカラーパイグル達の言い訳でも1つ。 今は亡きBraingeyserより引用。
「黒い闇の中で」 原文 In the Black 著者 Mark Rosewater
ブラック・ウィークへようこそ! この記事は、Magic5色のために書かれた一連の記事の4番目にあたるものだ。前のみっつ(「緑はつらいよ」「偉大なる白の業」「真の青」)もヨロシク。一定のフォーマットに従って書いてるから、今まで読み進めてきた読者たちはこの記事がどういう風に進行するかわかってるはずだ。
まだまだパイに場所はある つーわけで、ようこそ。とりあえず、まだ読んでない人は今までの記事を読んどくのがオススメだ。それぞれの色のウィークによせて、私はその色のフレーバーと哲学について語ってきた。そこで、よりわかりやすくするために、R&Dがカラーウィールを作るために使った五つの設問について語る形式をとっている。こんな感じだ。
その色は何に関心があるのか? その最終的な目的は何なのか? その色は、その目標を達成するためにどんな手段を使うのか? その色は何に関心があるのか? その色が表すものは何なのか? その色が嫌うのは何か? 何がその色を否定的にさせるのか? なぜ、その色は友好色が好きで、敵対色を憎むのか? その色のもっとも優れた特徴と、最大の弱点とは何なのか? その色は何に関心があるのか? その最終的な目的は何なのか? 今まで説明してきた通り、その色の哲学は、「その色が世界をどう捉えるか」による。黒の哲学はこうだ。「世界はおれを中心に回っている」。ぶっちゃけ、黒は「自分にどういった影響があるか」という基準で世界を捉えている。つまり、黒にとって、すべての人間には意味がある──すべての人間は、黒の人生をよくするために存在するんだからな。黒はコイツがフェアなやり方だと主張する。皆が誰かを狙っているんだから、というのがその理由だ。この生き方を続けるのには、大量の被害者が必要だ。なんせ、誰かが得をするってことは誰かが損をするって言う事だからな。黒は、それが世界の法則で、弱いものを選り分けるための手段だと言う。
黒は、目的のために力を求める。何故か? 黒は他の色とは違い、自分の行動に制限を欠けないからだ。何かを得るためなら何でも利用する、それが黒の哲学なのだ。成功とは、黒にとって「やりたいようにやる」ということだ。もし誰かのせいでやりたい事ができないのなら──目的は達成していない。
黒が考えるに、他の色は全て、世界を何か別のモノに、元々そうではないモノに変えようとしている。だが黒は違う。世界をありのままにうけいれるのが黒の心情なのだ。人間は自己中心的だ──それだけが真実であり、これを否定するのはバカバカしい。確かにそうじゃなかったら世界はすげえ住みやすいだろう──だが、そんな事は何の意味もない。だって、実際に住んでるのはこの世界なんだからな。この世界に住むからには、黒は「本当に」存在するルールに従って生きる。そいつは単純だ。「強いやつに止められるまで、やりたい事をやれ。」
黒の哲学はシンプルだ。黒は欲しいものは欲しいと言うし、それを得るためなら何でもやる。究極の目的は──究極の、万能の力、だ。
その色は、その目標を達成するためにどんな手段を使うのか? 黒は、この点においては自分が一番だという事を自覚している。他の色は自分に制限を欠ける。肉体的に、知識的に、もしくはモラル的に。黒はそんな事はしない。利用できるものは使う。死。病気。狂気。黒に制限はないのだ。メカニズム的な話をすると、この信条が黒を生物破壊と手札破壊に特化させている。
次に、黒は魔法のために何でも犠牲にする。ライフ、クリーチャー、肉体の一部──何でも、だ。黒は何でもする。黒は何もかもする。メカニズム的なアレをすると、この信条が黒をマナ以外の代用コストを使って低マナコスト呪文を連発できる理由だ。黒は対価に見合うものがあるのなら、なんでも使う。何でも、だ。
さらに、黒は搾取が好きだ。他から奪って来れるなら、自分からそれを作る理由がどこにある? 他者が利用できるなら、そいつから搾取してしまえ。これが黒の思考だ。そしてこれこそが《魂の消耗》や《吸心》といった「吸い取り」系カードに表されているんだ。
黒は、その暗黒面の同盟軍たちによって、より危険で、そして狂ったクリーチャー達を前線に送り込む事ができる。また、リスキーだが非常に強力な呪文を使う事すらできる。黒はほとんど何でもできる──だが、それに応じた対価が必要だ。
黒の暗黒面への意欲は、それを一番強力な色にする。だが、黒の一番の危険は他の色からくるのではなく、常に己の内面からやってくる。黒は一番内輪揉めを起こしやすい色であり、飼っている悪魔にその身を滅ぼされる危険性が一番高い色なのだ。
その色は何に関心があるのか? その色が表すものは何なのか? 力の奪取。それが黒だ。利用できるものは何であれ利用し、欲しいものを奪い取る。このため、黒が表すものは多い。
死 超道徳性 闇 腐敗 病 汚染 堕落 零落 偽り ごまかし 策謀 個人主義 破壊(計算済み) 他者の贄 自身の贄 恐怖 処刑 自己陶酔 不死 その色が嫌うのは何か? 何がその色を否定的にさせるのか? 黒が気にするのは、自分の事だけだ。よって、黒は集団を個人に優先させるという考えを憎む──いや、理解できない。どうやって自分の事を考えない奴らを動かすんだ? 全くバカばっかりだ…しかも、非常に危険なバカだ。
黒は、モラルだの精神性だのと行ったウソの概念に汚染された奴らはもう救いようがない事を知っている。だから、せめてそいつらが集まって黒の軍勢を倒す前につぶしちまおうとするのだ。
なぜ、その色は友好色が好きで、敵対色を憎むのか? 黒は、白に知的障害の極みを見る。馬鹿らしい制限なんてもんを自分に課さなくても、人生は十分ツラいんだ。しかし問題なのは、コイツらがその信じられないほど馬鹿らしい制限を他者にも課そうとする事だ。弱きを助け、強きを挫く?そんな考えは世界中から抹消されるべきだ。今すぐ。
黒は、青に大局を理解する奇才を見る。支配する事の重要性を知っている色なのだ。机に座って分析するより、もっと行動が伴えばすばらしいのだが。
黒は、赤に欲しいものを奪う事を恐れない勇気を見る。弱肉強食を本当に尊ぶ者だ。不幸な事に、やりかたが出鱈目すぎるが。
黒は、緑に仕事を遂行する能力のない凡人を見る。白のように、無意味なモノにとらわれすぎている。命の尊さなんてモノを重要視するんだからな。いやいや、もちろん命は重要だ。生贄にもなるしな。だが、緑はちょっと行き過ぎだ。
その色のもっとも優れた特徴と、最大の弱点とは何なのか? 黒の最も優れた特徴、それは「利用できるものは利用する」という精神だ。どんな道でも、どんなチャンスでも全く無駄にはしないんだからな。この考え方の悪いところは、時々触れるべきではないものに触れてしまう事だ。黒は、自爆する事が最も多い色だ(赤も良いセン逝ってるんだが…)。なおかつ、黒は協調性に欠ける。トラブルがあったときに、助けてくれる友達がいないのだ。
悪の調べ 黒を語るときには、この微妙な問題についても語らざるを得ない。「黒」と「悪」は同義語なのか?という問題だ。おれはそうは思わない。いや、もちろん黒は悪になれる。一番悪になりやすい色だろう。伝統的なファンタジーの悪役はだいたい黒だし、初期マジックのフレーバーは黒を悪として扱っていた。だが、悪になる可能性が高いからと逝って、イコール悪と断言できる訳ではない。説明しよう。
カラーウィールは、ゲームのフレーバーにちゃんとした仕組みを与える事が目的だ。それぞれの色は、それぞれ違う哲学を表している。ある色が感情を表に出す時、それはあくまでその色独自のものなのだ。他の色はそれに対して同意を示すだろうが、はっきりと行動で表す事はしない。つまり、黒イコール悪と言えない理由は、他の色も悪になる可能性があるからだ。
カラーウィール上の全ての色は、その哲学によって悪になりうる。白はファシズムを生み出し、赤は殺人をし、緑は手当たり次第の破壊を行い、青は無益の窃盗をする。悪は信条の問題ではなく、行動の問題だ。そして、全ての色は悪を行う事ができるのだ。
それに、黒が表している様々なものは、善に使える事もできる。例えば黒の個人主義は、資本主義は憲法に通じる。自己中心的である事は必ずしも悪い事ではないし。
そして、人々は超道徳性と非道徳性を混同しすぎる。別に黒はモラルを否定している訳ではない。ただ、それに意味を見いださないだけだ。よって、モラルにそった行動をする事もあれば、そうでない事もする。そういうことだ。
確かに黒魔術師は悪になりうる。だが、黒だから悪だ、という事ではないのだ。黒の哲学に染まったからといって、悪を行うとは限らない。つまり、黒イコール悪とは言えない訳だ。より悪に近い? もちろん。悪への可能性が高い? そのとおり。では、悪そのもの? それは違う。そして、これは結構重要なトコだ。
メン・イン・ブラック あー、とうとうこの記事で一番物議を醸し出すであろうトコロにきちゃったよ。R&Dは、その色の哲学にあってそうな人たちを何人か選び出している。黒に選ばれたのは、この方達だ。
Lex Luthor コミックファンとしては、この悪役を入れないわけにはいかなかった。他の悪役じゃあ、彼の純粋な欲望と力への渇望を超える事はできないだろうな。
Bart Simpson シンプソン一家からはこのボウズ。ただ自分の欲求に従って行動するに、まさに「黒い」ヤツだ。
Daffy Duck ダフィーは、とにかく自分が大事だと公言してはばからない。カートゥーンキャラがなれる、一番強欲で一番自己中なヤツだろう(ちなみに、ドナルドも彼のキレ癖[赤]がなければここに入る予定だった)。ダフィーを入れたのは、黒でも人気者になれるという事を示したかったからだ。
George Costanza サインフィールドを見た事があるやつならわかるだろうが、ジョージのやることは全部ジョージに関する事だ。フィアンセを危険に陥れようが、ジョージは彼のために動き続けるのである。
さて、これで4/5が終わった訳だ。また今度、おれが「MAROは基地外」スレッドに燃料を投下するときに会おう。その時まで、自分を一番にするという事がいかに重要か考えててくれ。
Mark Rosewater
(last edited: 2012/04/23(月) 20:49:08)
2012/04/23(月) 19:27:52
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